多分ポケモンGOを作って、googleがやりたかったこと。

 

 

はじめに、以下の文章は、浅薄な知識と思い込みで書きなぐったただの妄想です。

 

ポケモンGOの話題が過熱してる割には、googleが何を思って、このゲームを作ったのかが何も議論されていないので、何となく書いてみる。

googleポケモンGOが流行ることによって、どんな恩恵を受けるのか。

以前からgooglewifi入れっぱなしのスマホ端末から、付近にどんなwifiスポットがあるのかを収集してるってのを公言してきた。

ポケモンGOが全国的に流行ることによって、GPSを入れっぱなしwifi入れっぱなしのスマホが全国を歩き回っている。それぞれのスマホが拾ったwifiスポットのデータとGPSデータはgoogleに送られて、マップ化される。そうすると、この国に、この町に、どこにどれだけのwifiスポットがどこにあるのかをgoogleは把握できるわけだ。

例えば、Aさん家と道を挟んだBさん家があったとする。Aさん家もBさん家も家の中にwifiルータがあって、電波を垂れ流してる。GPSをオンにしたスマホでその家の間の道を通ると、Aさん家とBさん家のwifiスポットのデータがgoogleに送られて、wifiスポットの位置が特定される。その後、別のGPSを切った状態のスマホが通ると、Aさん家とBさん家のwifiスポットのデータをgoogleに照会すれば、GPSを切っていても、どこにいるのか特定できるわけだ。

スマホgoogleアカウントが設定されてればどのアカウントのスマホが今どこにあるのか、おおよその位置をGPSを使わなくても把握することが可能になる。

 

じゃぁ、googleはなんでそんなことをしたがってるのか?

そもそもgoogleって何の会社なのか?

スマホを作ってる会社。webサービスの会社。大手検索エンジン運営会社。

いろいろイメージがあるかも知れないけど、googleは世界で一番大きな広告代理店だ。

世界中にある会社からお金をもらって、その商品を宣伝する会社だ。

検索エンジンの検索ワードから消費者の需要を探り、スマホで商品を見せ、地図サービスでユーザーを店舗まで運ぶ会社。

 

そんな会社が、誰がいつどこにいるかを把握したらどうなるか?

 

ここにアラサーのOLさんがいたとしよう。

googleアカウントに紐付けされたスマホを使っているので、wifiマッピングによる位置情報と移動経路から、朝家を出る時間、駅までは徒歩で15分くらかかること、出社時間、勤務場所、おおよその退社時間が割り出される。

彼女は昨夜テレビで何気にボディーソープのCMを見た。

自分に合うものかどうかを詳しく調べる為に、スマホでそのボディーソープを検索したとしよう。

googleは検索ワードから彼女がボディーソープを欲しがってるかもしれないことを知ることができる。

そしてどこかの薬局チェーンがそのボディーソープの安売りの宣伝をgoogleに依頼していたとしよう。

googleは彼女の退社時間に合わせて、彼女の退社経路の中で一番近い、その薬局チェーンでならボディーソープがいくらで買えるという情報を彼女のスマホに送ることができる。

彼女はボディーソープを買って帰るだろうか。

 

もう一つ思いついた。

googleはネットワークストレージのサービスを行っている。

スマホに撮った写真をどこでも見れるようにサーバに預けておくサービスだ。

イオンにいる休日のお父さん。

位置情報からわかるのは、彼がずっと同じところから動かないことだ。スマホの状態から、彼は、家族との買い物よりもゲームに熱中しているらしい。

googleは彼のネットワークストレージの中の写真を解析して、いつも仲良く映っている2人の子供の写真から、彼には2人の娘がいることを予測している。

googleはイオンでも取り扱っているお菓子会社が、子供用のアニメキャラクターのおまけのついたお菓子の宣伝を依頼されていたとしよう。

彼が普段、子供のためにそのアニメについて検索していることはgoogleは把握済みだ。

彼のゲームの合間にgoogleはそのお菓子の情報をスマホに送ることができる。

彼はお菓子を買いにいくだろうか。

 

その他にも、googleは誰が、いつ、どこにいるのかを把握することができる。

10代の女性が何時くらいに家に帰るのか?

40代の男性が何時くらいに朝出かけるのか?

その他にもテレビ番組の内容と検索サービスを連動させれば、20代の女性が今見ている芸人がおもしろいと思うかどうか、これをある程度なんてことも把握することができる。

数値化すれば、企業側に売るための情報を作ることができる。

企業側は、それを見て、30代の男性に訴えるCMを作るには、何時くらいに誰を使って、どんな商品を宣伝すればいいのか、考えることができる。

 

そして、それは全て人の手で宣伝されるのではなく、宣伝効果を考える人工知能が行っていくことになる。

おそらくだけど、人の趣味嗜好を人工知能によってコントロールされる世界になるんじゃないのかと僕は思っている。

 

以前の僕はこう思った。

「それはいいことなのか?」

一つの企業が個人個人の趣味嗜好、行動経路、家族構成、そういった諸々をインデックス化し、自分たちの都合のいいように、捻じ曲げる。

それって、もう広告と言えないんじゃないのか?

何かそういうコントロールされる世の中の片棒を担ぐ気がして、イングレスはやらなかった。

じゃぁ、ポケモンGOはいいのか?

お祭り騒ぎでなんとなく楽しそうだからいいのか?

 

人工知能が碁で人間を負かしたとき、僕は不安になった。

人間を超えるものを人間が作り出してしまった瞬間にものすごい不安を覚えた。

大企業がそれぞれ人工知能をパートナーとして認め、収益を管理し、消費動向を管理し、株価を管理するような将来をなんとなく考えた。

個人は個人ではなく、インデックスごとに分類された情報でしかなく、通貨は人工知能が自分たちを評価するためのポイントでしかないような世の中だ。

その世界に不安や不満があるなら、今すぐwifi切って、田舎で自給自足すればいい。

それができないなら、謹んで自分の個性をデータの中に埋没させるしかない。

 

今僕はこう思っている。

個人が抵抗するには限界があるのを認めるたってのは確かにある。

善悪なんて、人工知能の前ではなんの意味もないことだと思っているのも確かにある。

でも、それとは別の何か。

高度に管理された社会を見てみたくなったのかもしれないし、何かに隷属することの快感を思い出したのかもしれない。

今までテレビを見たこともないよう未開の地に住む男の子が、初めてみたカップラーメンのCMでカップラーメンを食べたくなるようなものだ。

その男の子は、CMによって自分の嗜好が変わってしまったことを理解するだろうか?

CMを恨むだろうか?

結局今、世界で行われようとしていることはそういうことなのかもしれないと。

自分が本当にそれが必要で、欲していたものなのか、自分で理解できないような世界になったとき、それを手に入れて、よかった、楽しかったと思えた方がいいに決まっている。

だから、とりあえず、今はポケモンGOを楽しむことにしている。